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農場ブログ

幼穂形成と深水管理

2016年07月18日

2016モンドセレクション金賞受賞の「北海道水芭蕉米」を作っている

The北海道ファームです。→詳しくはこちら 真面目にお米を作っています。

 

7月も半ばを過ぎ、稲の栽培も後半に差し掛かっています。

4月のハウスでの種まきから始まり、9月が稲刈りなので、栽培期間は実質6か月なのです。

 

そんな稲ですが、北海道稲作の重要ポイント「冷害危険期における深水管理」の時期です。

 

まずは、稲の状態を解説します。

DSCF5850

田んぼに入って、稲を1本抜いてきます。標準的に育ったメインの茎を選んでいます。

それを、カッターで縦に半分、切り分けてみます。

 

DSCF5853

ありました!幼穂と言われる稲穂になる部分が茎の中にできています。

 

この幼穂ができ始めてある程度伸びるまでの約20日間、

稲が低温にさらされると、ダメージを受け収穫量が激減してしまう事も。

この時期を特に「冷害危険期」といい、稲作農家は対策におわれるわけです。

 

で、その対策が「深水管理」という水位の調整作業です。

水温は気温に比べて変化が少なく、保温力があるという水の性質を利用して

稲が極端な低温にさらされない様にするわけです。

 

具体的には、田んぼの水位を最大20cmを目指して深くしていきます。

DSCF5812

夜間に入水して、昼間の日差しで水を温めるというのが基本サイクル。

毎夕に田んぼに水を入れ、朝止めるという事になりますが!

 

朝、田んぼを見回ると、たいていトラブルが発生しています。

DSCF5841

アゼを 水が超えてあたり一面水浸し!

1年で1番水位をあげるので、アゼが低いところがあると確実に水が流出。

他にも小動物の巣穴?から水が流れでるとか、ありがちなトラブルが次々と発生。

 

去年の反省で、今年は春にアゼの塗り直しや排水口の新設など結構田んぼを直したものの

やっぱり深水時期は、トラブル発生でアゼ直し作業が欠かせない状態に。

アゼが低い所を1か所直せば、次に低い所から漏るという事ですね。

 

車が入れるようなアゼなら、土を運んで盛り土で修理なんてこともできますが、

どういう訳か漏水するのは、歩いてしか行けないアゼ。

アゼナミ板というプラスチックの板を打ち込んでみたり、土のうを運んでみたり、

悪戦苦闘していますが、これは水深20CMとても無理という田んぼもあったりします。

全体で17枚ある田んぼのうち、特に山側がアゼが整えきれていない感じです。

 

去年もこの深水管理で四苦八苦しましたが、結局恐れていた低温状態にはならなかったような・・・・。

「低温対策」のために四苦八苦しながら、「低温が来ないことを願う」という自己矛盾のような・・・。

「低温対策はOK、深水だ!」と言っても「低温が来ないこと」が一番いいわけで、

なんだか「徒労」という言葉も浮かぶアゼの修理作業。

 

「備えあれば憂いなし」「予防は治療に勝る」と自分に言い聞かせつつスコップを振る日々です。

しばらく筋肉痛とお友達。昨日の筋肉痛は、今日の筋肉痛で直す・・・・。

 

 

 

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