水芭蕉の咲く清らかな水で育てた「北海道水芭蕉米」と
安全安心な北海道産のエサで育てた「日本一しあわせなにわとりの玉子」を生産している
北海道栗山町のThe北海道ファーム、栗原です。
稲作と養鶏で循環型農業に真面目に取り組んでいます。
北海道でも、連日30度越えの真夏日が続いています。
まぁ、関東の暑さに比べれば湿度も低いし、夜には涼しくなるので
平気と言えば、平気なんですが、暑い事には変わりありません。
そんな中、本年2回目の草刈りの時期です。
前回の、草刈りから約1か月たったので順調に生育していますね。
草刈り機を 乗せていざ出陣。
少しでも暑さを避けるため朝6時から開始です。と言ってもすでに30℃近い・・・。
ハウス農家は、朝4時から働いているそうなので農家的には遅いスタートかもしれません・・。
タイミングが合うと、ごく一部で日陰になっていますが、
基本的には、さんさんと降り注ぐ陽光の下での作業、暑すぎる・・・。
途中、草刈り機のベルトが切れるというトラブルがありましたが、
農機具屋さんに在庫があり、交換だけで即修理完了。
「機械が直るまで、作業やすみ!」とは行きませんでした・・・・。
「何で、こんなに暑いのにアゼの草刈りを しているのか?」
「多少は、伸びても見た目が悪いだけだからいいんじゃない」
と、思われる方が多いと思いますが、実はこれには訳があります。
稲の生育のタイミングとの関係で、今刈っておかないと、
最終的に商品にならないい規格外米を増やしかねないからです。
まず、前提として、あと数日すると稲が出穂の時期、稲穂が緑の状態で見えてきます。
その緑の状態の稲穂に、昆虫類が口を差し込んで、まだやわらかい米粒のエキスを吸います。
そうすると、吸った跡が残り、着色米や斑点米と言われる商品にならない米粒ができてしまいます。
そのため出穂の直後の時期に草刈りをしてしまうと、アゼ草が刈られて虫が田んぼに逃げ込む→
おいしい出穂直後の稲穂がたくさんある→そのまま田んぼに居座る→着色米など被害が拡大→
商品内ならない米粒が増える→利益が減る、という訳です。
そうならない様に、出穂前の今のうちにアゼ草を刈る→虫が居心地が悪くて田んぼのアゼから他に行く→
出穂後に稲穂が吸われる可能性が減る→商品にならない米が少しでも減る→利益が増える→素晴らしい。
そんな事を考えて、いまこの暑い中草刈りを真面目にやっているわけです。
まぁ最低でも、出穂直後に草刈をしないことは、虫にいたずらに移動を促さない効果は、あると思います。
「じゃあ、アゼの草を除草剤で枯らせば、虫もいなくなるでしょう」と、
思った方、農業センスがありますね(※ 非農家に限る)
それでもイイと思いますし、実際に草刈りの手間を考えて
アゼも除草剤で処理してしまう農家も沢山います。
アゼ草が茶色く枯れている田んぼは、そういう考え方ですね。
でも、アゼ草を完全に枯らしてしまうと、今度はアゼが単純な土盛りになってしまい
強度が落ちて、崩れたり水が漏れたりする別のトラブルが起きがちです。
(※アゼ塗の頻度を上げて対応したり、土質的にOKな田んぼもあります)
さらに、アゼに除草剤をまくという事は、ちょっとした手さばきや風の具合で
稲にも除草剤がかかってしまうリスクがあります。
The北海道ファームとしては、除草剤の必要以上の多用も避けたいところです。
まぁ、色々書きましたが、草刈りひとつとっても
作物の生育タイミングやアゼの保全、除草剤への考え方など
いろんなことを考えながら取り組んでるのが農家の世界です。
田んぼのアゼ草なんて、外から見てると、「伸びたらければいいんじゃない」
「伸びすぎてダラシナイ田んぼ」とか、見た目で判断しがちですが、
いやいや、奥が深くて面白いですね。
そんなわけで、田んぼの作業工程を見ていると
「この田んぼは、共感できる作り方だな~」とか、
「そういう事か!」と感心したり、作り手の考え方が見えて面白いです。
The北海道ファームのお米作りも、食べていただく皆様に
「いい作り方してるね~」「手を抜かないね~」さらに「だから、おいしいんだね!]と、
言っていただける様、毎日真面目にお米を作っています。
さらに情報発信にも取り組んでいます。
ただ腹を満たすための米でなく、共感できるお米を買う、
そんなお米の買い方が主流になればいいと思っています。
それにしても、今日も暑い。あとは夕方に草刈りをしよう・・・・。
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